天理対三重の予想!甲子園準々決勝はどちらが勝つ?投手・打線・勝敗のポイントを徹底分析

天理対三重の予想!甲子園準々決勝はどちらが勝つ?投手・打線・勝敗のポイントを徹底分析

夏の甲子園でベスト4進出を懸けて対戦する、奈良代表の天理と三重代表の三重。

「天理と三重はどちらが勝ちそう?」「長尾亮大がいる天理が有利?」「履正社を破った三重もかなり強いのでは?」と、勝敗が気になっている人は多いのではないでしょうか。

準々決勝は8月18日の第1試合、午前8時開始予定です。8月17日は大会の休養日に設定されており、両校とも15日の3回戦から中2日で試合に臨みます。

先に結論

先に結論を出すと、予想は天理の勝利をわずかに上と見ます。

予想スコアは天理5-3三重

勝率のイメージは天理54%、三重46%です。

ただし、これは「天理が明確に格上」という意味ではありません。

甲子園でのチーム打率は三重が.358、天理が.338。投手防御率は両校とも2.50で、数字だけを見てもほとんど差がありません。むしろ三重のほうが打率では上です。

それでも天理をわずかに上に取る最大の理由は、三振によって自力でピンチを断ち切れる長尾亮大の存在と、天理打線の終盤の対応力です。

一方で三重には、天理にはない大きな武器があります。

それが複数投手を使った継投の柔軟性と、試合開始直後から一気に相手を攻める上位打線です。

最初に、この試合の予想で特に重要なポイントを整理すると次の通りです。

  • 天理は長尾亮大が甲子園2試合で18回23奪三振と圧倒的な奪三振力を見せている
  • 三重は甲子園2試合で24安打、チーム打率.358と天理を上回る
  • 天理は13得点中12得点が6回以降なのに対し、三重は10得点すべてが5回まで
  • 天理には左腕・橋本桜佑という先発候補もおり、必ずしも長尾先発とは限らない
  • 三重には上田晴優、船橋昊、吉井海翔らを使い分けられる投手層がある

つまり、今回の天理対三重は単純な「エース対強打線」ではありません。

序盤を取りたい三重と、中盤以降に強い天理。1人で試合を支配できる長尾と、継投で目先を変えられる三重。

この対照的なチームカラーがぶつかる準々決勝です。

目次

天理対三重の予想は天理がわずかに優勢

まず、現時点での予想をはっきりさせておきます。

天理と三重には決定的な戦力差がありません。したがって「天理だから強い」「三重が履正社に勝ったから勢いがある」といった印象だけで判断するより、投手、打線、守備、疲労、得点する時間帯まで分けて考えたほうが、この試合の構図が見えてきます。

独自に7項目で比較すると、次のように評価します。

比較項目配点天理三重
先発投手の最大値252419
打線の状態201818
継投・投手層151114
守備の安定感1079
試合展開への対応力151411
疲労・コンディション1068
ベンチの選択肢544
合計1008483

この採点は公式指標ではなく、勝敗予想の根拠を見える形にしたものです。

最大の差は先発投手の「1試合を支配する力」。長尾が万全に近ければ天理が上ですが、投手の枚数と疲労面では三重に分があります。

甲子園の打撃成績では三重がわずかに上

8月17日時点の準々決勝進出8校の成績を見ると、天理は2試合で68打数23安打、13得点、打率.338、長打率.441、出塁率.446です。

一方の三重は67打数24安打、10得点、打率.358、長打率.388、出塁率.405。

単純なヒットの出やすさなら三重。

長打と出塁まで含めた得点機会の作り方では天理、という違いがあります。

特に興味深いのが出塁率です。

三重の打率.358は天理の.338を上回りますが、出塁率では天理の.446が三重の.405を上回っています。天理は安打だけではなく、四死球を含めて走者をためられることが数字にも表れています。

三重投手陣がストライク先行で天理に余計な四球を与えなければ、三重ペース。

逆に天理が四球を絡めながら一、二塁の場面を繰り返し作れば、天理が得意としてきた複数得点のイニングにつながります。

投手防御率は両校とも2.50

投手成績はさらに拮抗しています。

天理は甲子園2試合18回で5失点、23奪三振、防御率2.50。

三重も18回で5失点、防御率2.50です。違うのは奪三振数で、三重は8個に対して天理は23個を記録しています。

同じ5失点でも、アウトの取り方が違います。

天理は長尾がバットに当てさせずアウトを取る割合が高く、三重は打たせて守る場面が多いチームです。

守備のミスが起こり得る高校野球では、走者を背負った場面で三振を取れる投手の存在は非常に大きな意味を持ちます。

その部分を評価して、総合予想では天理をわずかに上としました。

地方大会まで見ると天理と三重の強さがより分かる

甲子園の2試合だけで予想すると、短期的な好不調に数字が引っ張られます。

そこで地方大会まで広げて見ると、両校がどのような力で甲子園へたどり着いたのかが分かります。特に天理の失点の少なさと、三重の得点力は無視できません。

天理は奈良大会5試合で38得点2失点

天理は奈良大会を5試合で38得点、わずか2失点という内容で突破しています。

決勝では奈良大付を8-0で破り、2年連続31回目の夏の甲子園出場を決めました。準決勝でも畝傍を7-0で退けています。

甲子園では福山に7-2、高川学園に6-3。

県大会ほど圧倒的なスコアではなくなったとはいえ、今夏の公式戦ではまだ負けていません。

奈良大会で特に印象的なのは投手陣です。

長尾だけで勝ち抜いたわけではなく、準決勝では左腕・橋本桜佑が先発し、6回を被安打1、無失点に抑えています。

この事実は、準々決勝の先発を予想するうえでかなり重要です。

「長尾がエースだから長尾が当然先発」と決めつける必要はありません。

三重は県大会5試合で51得点

三重の地方大会で最も目を引くのは攻撃力です。

三重大会では5試合で51得点。決勝でも近大高専を12-3で破り、春夏連続の甲子園出場を決めました。

甲子園でも松商学園から5点、履正社から5点。

相手のレベルが全国大会仕様になっても得点力が急激に落ちておらず、履正社戦では12安打を放っています。

つまり三重の甲子園での好調は、たまたま2試合だけ打線が当たっていると見るべきではありません。

地方大会から続く攻撃力の延長線上にあります。

ただし、県大会51得点という数字だけで「三重打線のほうが天理より圧倒的」と判断するのも危険です。

対戦相手が異なる地方大会同士の総得点は単純比較できないため、甲子園での打率、相手投手との相性、得点する時間帯まで合わせて見る必要があります。

天理最大の武器は長尾亮大の奪三振力

天理の勝利を予想するうえで、中心になる存在はやはり長尾亮大です。

今大会の長尾は単に「安定したエース」というレベルではなく、三振によって試合そのものをコントロールしています。ただし、準々決勝では疲労という明確な不安材料もあります。

長尾亮大は18回で23奪三振

長尾は福山戦で13奪三振、高川学園戦でも10奪三振を記録。

夏の甲子園で天理の投手が2試合連続2桁奪三振を記録するのは学校初です。

甲子園2試合を合わせると18回23奪三振。

8強進出チームの投手成績でも、天理のチーム奪三振23は際立っています。

この数字が三重との対戦で重要になる理由は、三重が「連続してボールを前へ運ぶ」ことで得点するチームだからです。

履正社戦でも三重は12安打。

本塁打で一気に3点を取ったのではなく、出塁した走者を次の打者が進め、さらに次の打者が返す攻撃で序盤5点を奪いました。

その連鎖を最も簡単に断ち切れる方法が三振です。

無死一塁から三振を取れば併殺の必要はなく、二死満塁でも三振なら守備の処理を必要としません。

長尾の奪三振力は、三重の打線を「点」ではなく「線」にさせないための武器になります。

不安材料は289球の疲労

一方、長尾には無視できない数字があります。

高川学園戦では9回158球を投げて5安打3失点、10奪三振。前の福山戦と合わせ、甲子園2試合の投球数は計289球に達しています。共同通信の準々決勝展望でも、疲労の回復がポイントとして挙げられています。

準々決勝まで中2日あります。

17日が休養日になったことで連日の登板ではありませんが、289球という事実が消えるわけではありません。

ここで注意したいのは、球数だけを見て「長尾はもう投げられない」と決めつけないことです。

問題は登板できるかではなく、普段と同じ球威、制球、変化球のキレを何回まで維持できるかです。

三重が初回から粘って球数を使わせれば、長尾の疲労を早く表面化させられる可能性があります。

逆に長尾が序盤を少ない球数で終えられれば、天理にとって最も理想的な流れになります。

天理には橋本桜佑という先発カードもある

天理対三重の予想で見落としたくないのが、「長尾が先発するとは限らない」という点です。

天理の投手陣には長尾のほか、左腕・橋本桜佑、さらに新井幾大など複数の選択肢があります。大会前の戦力紹介でも、長尾、橋本、新井を状況によって使い分けられる陣容として評価されています。

橋本は奈良大会準決勝で6回1安打無失点

橋本は奈良大会準決勝の畝傍戦で先発し、6回を被安打1、無失点。

9奪三振を記録した試合データもあり、単なる控え投手ではありません。

ここまで甲子園では長尾が2試合を完投しているため、全国大会だけ見ていると「天理=長尾」という印象が強くなります。

しかし奈良大会まで戻れば、左腕の橋本で試合を作れることはすでに証明されています。

三重打線には福田篤史、前野元佑、河口遼ら左打者も並びますが、左右だけで単純に有利不利は決まりません。

重要なのは、長尾とは異なる球筋を先に見せられることです。

橋本先発なら長尾を後半に残せる

仮に橋本が先発して3~5回まで試合を作れれば、長尾を試合後半に投入する選択肢が生まれます。

これは三重にとってかなり嫌な形です。

三重はここまで甲子園で10得点すべてを5回までに記録しています。一方の天理は13得点中12得点が6回以降という極端な得点分布です。公開スコアを集計したデータでも、両校の時間帯の違いが鮮明に出ています。

橋本が序盤の三重打線を抑え、天理が追いついた後に長尾が登板する。

この形が成立すれば、長尾の289球という疲労リスクを多少抑えながら、勝負どころにエースを投入できます。

もちろんリスクもあります。

橋本が三重の強力な上位打線につかまり、長尾を予定より早く投入することになれば、結果として難しい継投になります。

そのため先発選択は、天理側の最大の勝負手になりそうです。

三重最大の武器は1番から続く強力な打線

三重が勝つために必要なのは、「長尾を打ち崩す」という漠然とした目標ではありません。

鍵になるのは上位打線が連続して出塁し、一度のチャンスを2点、3点に広げることです。履正社戦ではまさにそれができました。

水野央清から始まる上位打線が好調

履正社戦の三重は、1番水野央清、2番前野元佑、3番秋山隼人、4番福田篤史、5番立松宗馬という並びでした。

試合前時点でも、水野は打率.600、前野.400、秋山.500、福田.750と上位打線が好調でした。

履正社戦では初回に3点。

2回にも秋山と立松の適時打で2点を加え、わずか2イニングで5-0までリードを広げました。

相手が強豪・履正社だったことを考えても、この立ち上がりは評価できます。

長尾を攻略する場合も、狙いは同じです。

単発のヒットではなく、1番から5番までに2人、3人と連続して出塁する必要があります。

三重は初回から攻める価値が大きい

三重は松商学園戦でも序盤から先行し、履正社戦でも初回3点、2回2点。

甲子園で挙げた10得点はすべて5回までで、そのうち5点が初回です。

この数字から見ても、三重は待って試合を作るより、早い段階で主導権を握るほうが持ち味を出せます。

長尾が相手だからと慎重になりすぎて、甘い初球を見逃すのは避けたいところです。

逆に何でも初球から振ればよいわけでもありません。

長尾には289球の蓄積があります。

ストライクは積極的に打ちながら、ボール球には手を出さず、ファウルで粘れる打席では粘る。

「積極性」と「球数を使わせること」を両立できるかが三重打線の大きなテーマです。

水野の状態は試合直前まで確認したい

1番の水野は三重打線の起点となる存在です。

履正社戦では先発出場し、攻守で存在感を見せました。特に二塁守備でも再三好プレーがあったと報じられています。

一方、試合終盤には治療の時間が取られた後に交代しています。

これだけで負傷の程度や準々決勝への影響を断定することはできません。

したがって「欠場する」「万全ではない」と決めつけるのではなく、当日のスタメンで確認するのが適切です。

水野が通常通り1番に入れば、三重の得点パターンはかなり作りやすくなります。

三重は春のセンバツ経験も評価したい

三重を夏の甲子園2試合だけで評価すると、見落とす材料があります。

三重は今春のセンバツにも出場しており、すでに甲子園で全国レベルのチームと戦っています。夏の準々決勝で緊張感のある試合を迎えるうえで、この経験は小さくありません。

センバツでは佐野日大を完封

春のセンバツ初戦で、三重は佐野日大を2-0で破りました。

先発した上田晴優が好投し、9回二死から古川稟久へつないで完封しています。

この試合からも分かるのは、上田が夏に突然現れた投手ではないことです。

夏の履正社戦でも先発して5回無失点。

春から全国大会で強豪相手に結果を残してきた左腕です。

大阪桐蔭とは延長10回の5-6

センバツ2回戦では大阪桐蔭と対戦し、三重は延長10回の末に5-6で敗れました。

大阪桐蔭はその後センバツを制しており、三重は春の全国王者を相手に1点差の試合をしています。

この試合では吉井、船橋、皿井、古川と複数の投手を投入しました。

つまり、現在の「継投で戦う三重」は夏になって急に作られたスタイルではありません。

春の甲子園でも複数投手を使い、強豪を相手に試合を成立させています。

天理が終盤型であることを考えると、この継投経験はかなり重要です。

三重の投手陣は上田・船橋・吉井をどう使うか

天理が長尾という圧倒的な軸を持つのに対して、三重の投手陣は「誰が9回投げるか」ではなく、「誰をどこで使うか」が強みです。

履正社戦でも上田、船橋、吉井の3投手で9回をつないでいます。

上田晴優は天理打線との相性が面白い

上田は履正社戦で5回無失点。

チェンジアップを武器に履正社打線を抑え、春のセンバツでも佐野日大戦で好投しています。

天理打線は、試合を重ねる中で相手投手へ対応する力があります。

そのため三重としては、「上田が抑えているから最後まで投げてもらう」と単純に考えるより、天理打線が2巡目、3巡目で慣れ始める前に目先を変える選択肢があります。

特に5回終了時点は重要です。

天理は甲子園2試合とも6回に4得点を記録しています。

上田が5回無失点だったとしても、6回の打順や球数によっては交代する。

そんな一歩早い継投ができれば、天理の得意な時間帯を潰せます。

船橋と吉井が後半を抑えられるか

履正社戦では上田の後を船橋、吉井が継ぎました。

天理戦でも同様の形になる可能性があります。

三重にとって最も避けたいのは、6回に走者をためてから慌てて投手を替える展開です。

天理は四死球を得点へ結びつける力があります。

相手投手が苦しくなり、四球、安打、死球と続けば一気に大量得点へつながりやすいため、「ピンチになったから交代」では一手遅くなる可能性があります。

投手の状態だけでなく、天理の次の打順まで見て交代できるかがポイントでしょう。

古川稟久をどう考えるか

三重には最速149キロ右腕として注目される古川稟久もいます。

ただし大会前には負傷の影響が報じられ、初戦登板が難しい見込みとされていました。

地方大会決勝では登板しているものの、夏の甲子園ではここまで上田、船橋、吉井が中心となっています。

そのため準々決勝で古川を計算できるかは、外部から断定できません。

登板できれば三重の投手運用はさらに広がりますが、最初から古川登板を前提に勝敗予想を組み立てるのは避けたほうがよいでしょう。

天理打線はなぜ6回以降に強いのか

天理の甲子園での得点分布は、今回の勝敗予想で非常に重要です。

単に「後半にたまたま点が入った」のではなく、2試合続けて同じ時間帯に打線が機能しています。

13得点中12得点が6回以降

天理は福山戦で7点、高川学園戦で6点を挙げました。

この13得点のうち12点が6回以降です。さらに2試合とも6回に4点を奪っています。

高川学園戦では5回終了時点で0-3。

普通ならかなり苦しい展開ですが、6回に一挙4点を奪って逆転し、最終的には6-3で勝ちました。長尾は9回158球を投げ切っています。

ここから分かるのは、天理には序盤のビハインドに耐えられることです。

0-1、0-2程度なら、チーム全体が慌てる必要がありません。

実際に3点差をひっくり返した経験があるためです。

三重がリードしていても5回では安心できない

三重は甲子園で10得点すべてを5回までに記録しています。

天理は逆に13得点中12点が6回以降。

これほど対照的な2チームが対戦するため、5回終了時点のスコアには特別な意味があります。

三重が5回終了時に4-0なら、かなり三重有利。

しかし2-1や3-2なら、スコア上は三重がリードしていても、試合の流れはまだ五分と考えたほうがよいでしょう。

天理はここから得意な時間帯へ入り、三重はここまでまだ得点していない時間帯へ入るからです。

天理と三重の攻撃スタイルは正反対

両校とも打てるチームですが、得点までの道筋には違いがあります。

三重は積極的な打撃と連打で短時間に流れを作り、天理は四死球も利用しながら一つのイニングを長くする傾向が見えます。

天理は出塁率.446をどう生かすか

天理の甲子園での打率は.338ですが、出塁率は.446。

8強の最新集計でも高い出塁率を残しています。

これは三重投手陣にとって厄介です。

三重はヒットを完全に防ぐ必要はありません。

むしろ避けたいのは、安打の前後に四球を出すことです。

一死から四球、一塁打で一、二塁。

さらに四球で満塁という展開になると、犠牲フライや内野ゴロでも得点できます。

三重が天理を3点以内に抑えるためには、無料の走者を増やさないことが重要です。

三重は打率.358のミート力を生かしたい

一方、三重は24安打で打率.358。

天理より1安打多く、打率でも上回っています。

三重が狙いたいのは、長尾の球を無理に長打にすることではありません。

単打でも出塁し、次打者につなぐ。

長尾から三振を取られない打席を増やし、守備に打球処理をさせる回数を増やすほうが現実的です。

高校野球では打球を前へ飛ばせば、安打だけでなく失策、野選、進塁打などさまざまな形で状況が動きます。

だからこそ三重が長尾から奪った三振数は、試合中にチェックしたい数字です。

5回終了時点で長尾が7~8奪三振なら天理ペース。

逆に2~3奪三振しかなく、三重が毎回のように打球を前へ飛ばしていれば、三重が長尾攻略に成功しつつあると考えられます。

守備では三重がわずかに優勢と予想

接戦で重要になるのが守備です。

打撃力が近く、防御率も同じカードでは、失策一つがそのまま決勝点になる可能性があります。

三重は履正社戦で無失策

三重は履正社戦で12安打を放っただけでなく、守備でも失策0でした。

特に水野の二塁守備が投手陣を助けています。

三重投手陣は長尾ほど三振を取るタイプではないため、守備力は重要です。

打たせて取る以上、内野ゴロを確実にアウトへ変えられるかどうかが防御率に直結します。

天理の終盤の攻撃では走者を置いた状態が増える可能性があります。

そこで併殺を取れるか。

バント処理で余計な進塁を許さないか。

一つの内野ゴロを確実にアウトにできるか。

派手ではありませんが、準々決勝ではこうしたプレーが勝敗を分ける可能性があります。

天理は三振で守備機会を減らしたい

天理にとって最も安全な守備は、長尾が三振を取ることです。

打球が飛ばなければ失策も起こりません。

その意味でも長尾の23奪三振は、本人の投手成績だけではなく、チーム守備全体を助けています。

三重打線が粘って打球を増やせば三重。

長尾が三振を積み重ねれば天理。

ここにも分かりやすい攻防があります。

天理が勝つために必要な4つの条件

天理が準決勝へ進むためには、長尾だけにすべてを任せる必要はありません。

むしろ今回の相手は序盤型の三重なので、前半を大崩れせず乗り切り、後半勝負へ持ち込むことが最も重要です。

  • 初回から3回までの三重上位打線を2失点以内に抑える
  • 長尾を先発させる場合は序盤の球数をできるだけ減らす
  • 三重投手陣から四死球を選び、一度の好機を複数得点につなげる
  • 5回終了時点で3点差以内を維持し、得意な6回以降へ入る

特に重要なのは初回です。

三重は履正社戦で初回3点、松商学園戦でも初回から得点しています。

ここを無失点で終えれば、三重が最も得意な攻撃時間を一つ消せます。

さらに5回まで同点近辺なら、天理は心理的にもかなり戦いやすくなります。

三重が勝つために必要な4つの条件

三重が天理を破るためには、長尾を完全攻略する必要はありません。

序盤に2~3点を取り、投手リレーと守備で天理の攻撃時間を短くしていけば十分に勝てます。

  • 初回から水野、前野、秋山を中心に走者を出す
  • 長尾が登板した場合は5回までに100球前後を投げさせる展開を作る
  • 上田を引っ張りすぎず、天理打線が慣れる前に継投を検討する
  • 6回以降にも追加点を取り、終盤の天理に3点以上の差をつける

最も大切なのは「5-0にしなければ勝てない」と考えないことです。

2-0でも3-1でも十分です。

ただし、そのリードを5回以降に広げられるかが重要になります。

三重はここまで甲子園で6回以降無得点です。

天理戦で同じように追加点が止まると、終盤にひっくり返される危険が高くなります。

試合展開を3パターンで予想

天理対三重は、序盤のスコアによって勝率が大きく変わりそうです。

試合中に「どちらが今有利なのか」を見るなら、次の3パターンに分けると分かりやすくなります。

0-0や1-1で5回を終えた場合は天理寄り

ロースコアのまま5回まで進んだ場合、天理にとって理想に近い展開です。

天理はここまで6回以降に得点が集中しています。

一方の三重は5回までに10得点すべてを挙げています。

さらに長尾が登板している場合、試合後半になるほど「1点を守れる奪三振力」の価値が上がります。

したがって5回終了時に0-0、1-0、1-1程度なら、試合前予想の54%より天理側へ傾いたと見ます。

三重が3点以上リードなら三重寄り

三重が序盤に3-0、4-1とリードした場合は、当然ながら三重がかなり有利です。

上田、船橋、吉井を使い分けられるため、リードした状態なら継投の選択肢が増えます。

天理は高川学園戦で0-3を逆転した経験がありますが、毎試合3点差を逆転できるわけではありません。

特に三重投手陣が四球を出さず、天理に一度の大量得点を作らせなければ、逃げ切れる可能性は高くなります。

2-1や3-2なら最後まで五分

最も面白くなりそうなのが1点差です。

三重がリードしていても、天理の得意な6回以降が残っています。

天理がリードしていても、三重は一度の連打で逆転できる打率.358の打線を持っています。

この形では投手交代と守備が勝負です。

長尾をどこまで引っ張るか。

三重が上田から船橋、吉井へいつ替えるか。

どちらかのベンチが一手遅れただけで試合が決まる可能性があります。

先発投手の予想は長尾と上田が本線だが別案もある

試合前の最大の注目は先発投手です。

本稿執筆時点では試合前ページで確定した先発・スタメンが表示されていないため、ここではこれまでの起用から可能性を考えます。

天理は長尾先発が本命、橋本先発も十分あり得る

普通に考えれば長尾先発が本線です。

甲子園2試合を連続完投しており、18回23奪三振。エースとしての実績は申し分ありません。

ただし、289球の疲労があります。

さらに天理には、奈良大会準決勝で6回1安打無失点だった橋本がいます。

そのため、

長尾先発→可能な限り長く投げる

だけでなく、

橋本先発→長尾を中盤・終盤から投入

という策も十分考えられます。

もし橋本が先発すれば、試合前予想以上に「ベンチワーク」が重要になります。

三重は上田先発が有力と予想

三重は履正社戦で上田が5回無失点。

春のセンバツでも佐野日大を相手に好投しているため、大舞台での安定感があります。

そのため準々決勝も上田先発を本線と見ます。

ただ、三重の強みは上田が先発しなくても戦えることです。

吉井や船橋もおり、春には4投手を使う試合も経験しています。

先発を読みにくくすること自体が、三重の強さと言えます。

暑さと疲労は長尾にとって小さくない要素

準々決勝第1試合は午前8時開始なので、午後の試合より条件は良さそうに見えます。

しかし8月18日の西宮市は午前8時ごろ28度、9時ごろ30度、10時ごろ31度まで上がる予報です。試合が進むにつれて気温が上がる見込みになっています。

第1試合でも終盤は30度を超える可能性

午前8時開始でも、9回まで試合をすれば10時前後になります。

予報通りなら、その時間帯には30度を超えます。

もちろん両校が同じ条件で戦います。

したがって「暑いから三重有利」と単純に言うことはできません。

ただ、甲子園で289球を投げている長尾と、複数投手で18回を分担してきた三重では、投手の負荷の分散に違いがあります。

天理が長尾を先発させた場合、球速そのものよりも、

  • 4回から5回で急に制球が乱れないか
  • 変化球が高くならないか
  • ファウルで粘られた後に決め球を投げ切れるか

といった部分を見ると、疲労の影響が分かりやすいでしょう。

注目選手は長尾・水野だけではない

このカードはエースの長尾と三重の1番・水野に注目が集まりやすいですが、実際にはその周囲の選手が勝敗を大きく左右します。

特に天理の中軸と、三重の3~5番は得点圏で重要な打席が回ってきそうです。

天理は金本相有ら中軸が走者を返せるか

天理は奈良大会から打線全体が好調で、4番・金本相有も県大会で高打率を残して甲子園へ入っています。

甲子園ではチームとして長打率.441。

三重の.388を上回っています。

今回、天理が四球で走者を出しても、中軸が返せなければ得点になりません。

三重投手陣は簡単に大量四球を出すタイプではないため、数少ない甘い球を一球で仕留められるかが重要です。

三重は秋山・福田・立松の勝負強さに注目

履正社戦では秋山が2回に適時打。

立松は初回と2回に適時打を放ち、2安打2打点を記録しました。

水野や前野が塁に出たとしても、長尾を相手に上位全員が安打を打てるとは限りません。

そこで重要になるのが、少ない走者を確実に返すことです。

長尾相手なら一死二塁で単打1本。

それだけでも十分な得点になります。

本塁打を狙うより、センター返しや逆方向への打球で1点ずつ奪ったほうが、三重の勝ち筋には合っています。

当日のスタメンで必ず確認したいポイント

試合前予想は、スタメン発表によって少し変わります。

特に天理の先発投手と三重・水野の出場状況は、勝率を動かす可能性があります。

  • 天理の先発が長尾なのか橋本なのか
  • 長尾先発の場合、ブルペン要員として橋本を残しているか
  • 三重の1番に水野が通常通り入っているか
  • 三重が上田、吉井、船橋の誰を先発させるか
  • 古川が登板可能な状態なのか

長尾先発、水野出場、上田先発なら、今回示した天理54%、三重46%を基本線とします。

橋本先発なら天理の序盤の失点リスクが少し上がる一方、長尾を後半へ温存できるメリットがあります。

水野がスタメンを外れれば、三重は出塁率の高いトップバッターを欠くことになるため、天理側へ数ポイント傾くと考えます。

天理対三重の最終スコアを5-3と予想する理由

最終予想は天理5-3三重です。

ただ、5-3という数字そのものより、そこへ至る展開のほうが重要です。

予想している流れは、三重が序盤に1~2点を先行し、天理が5~7回に追いつく展開です。

三重はここまで2試合連続で初回に得点。

天理は2試合連続で6回に4得点しています。

今回も両校の特徴がそのまま出れば、試合前半は三重、後半は天理という流れになる可能性があります。

1~3回は三重が先に動くと予想

三重の上位打線は状態が良く、地方大会51得点から甲子園でも24安打しています。

長尾が先発した場合でも、初回から完全試合のように抑えるとは予想しません。

水野、前野、秋山、福田、立松のどこかで走者がかえり、三重が先制する展開は十分考えられます。

天理としては、そこで1失点で止められるかが重要です。

4~6回から天理が追いつくと予想

天理打線は相手投手を見た後の対応力があります。

甲子園2試合で13得点中12点が6回以降という結果は、それを強く示しています。

三重が上田を先発させた場合、1巡目は抑えられても、2巡目、3巡目で天理が球筋へ合わせてくる可能性があります。

三重側が早めに継投すれば抑えられますが、その投手交代が少し遅れれば、天理が一気に試合を動かすと見ます。

7~9回は天理の奪三振力を評価

終盤の1~2点差では長尾の奪三振能力を高く評価します。

甲子園18回23奪三振は、このカードにおける最大の個人能力です。

ただし、長尾が先発して球数が120、130球を超えていれば話は変わります。

そこまで疲労している場合、天理が無理に完投を求めれば、三重に再逆転のチャンスが生まれます。

したがって「長尾だから9回まで」という固定観念を捨てられるかも、天理の勝敗を左右します。

三重勝利の可能性は46%でも十分に高い

天理54%、三重46%という数字を見ると「結局、天理が勝つ予想なのか」と感じるかもしれません。

しかし46%はほぼ互角です。

10回対戦したら4~5回は三重が勝つと考えるレベルであり、番狂わせと呼ぶような差ではありません。

甲子園2試合では打率で三重が上。

防御率は同じ。

三重は春のセンバツで後の優勝校・大阪桐蔭と延長10回の5-6という試合も経験しています。

天理有利と判断したのは、「相手が誰でも安定して勝てるから」ではありません。

接戦になったとき、長尾の奪三振という明確な武器があるためです。

裏を返せば、その長尾に疲労の影響が出れば一気に三重へ傾きます。

最大のポイントは「初回の三重」と「6回の天理」

この試合の最大の見どころ

この試合を最もシンプルに表すなら、初回の三重対6回の天理です。

三重は甲子園で10得点中5点を初回に記録。

天理は13得点中8点を6回だけで挙げています。

三重が初回に3点取れば、試合は三重の勝ちパターンへ近づきます。

天理が初回を0点で切り抜け、5回終了時点でも1点差以内なら、天理がかなり戦いやすい状況になります。

これは偶然の数字遊びではなく、両校の戦い方の違いでもあります。

三重は好調な上位打線が試合開始直後に相手投手へ襲いかかる。

天理は相手投手を見ながら打席を重ね、中盤以降に四死球と安打を重ねる。

だからこそ、試合を見るなら得点そのものだけではなく「何回に起きたか」に注目したいところです。

結論|天理対三重は5-3で天理勝利を予想

天理対三重の最終予想は、天理5-3三重

勝率は天理54%、三重46%と予想します。

甲子園でのチーム打率は三重.358、天理.338。

チーム防御率は両校とも2.50。

数字を見る限り、戦力差はほとんどありません。

三重は地方大会5試合で51得点を挙げ、春のセンバツでも佐野日大に勝利し、優勝した大阪桐蔭と延長10回の1点差勝負をしています。上田、船橋、吉井を使える投手層もあり、総合力はかなり高いチームです。

一方の天理は奈良大会5試合で38得点2失点。

甲子園では長尾が18回23奪三振を記録し、打線は13得点中12点を6回以降に奪っています。さらに地方大会で好投した橋本という別の先発候補もいます。

最終的に天理を少し上と見た理由は、次の3点です。

  • 1つ目は、長尾の奪三振力。 守備や相手打線の状態に左右されず、自分の投球だけでアウトを奪える能力は接戦ほど価値があります。
  • 2つ目は、ビハインドでも崩れにくい後半の得点力。 高川学園戦では5回終了時点0-3から逆転しており、先制されても試合プランを失わずに戦えます。
  • 3つ目は、橋本を含めた投手起用の余地。 長尾を必ず9回投げさせなければならないチームではありません。橋本が奈良大会準決勝で見せた投球を考えれば、長尾の疲労に合わせて起用法を変えられます。

ただし、三重が初回から3点前後を奪えば予想は簡単にひっくり返ります。

特に長尾の球数が序盤から増え、5回までに100球近くへ達するようなら三重の狙い通りです。

反対に長尾が三重の上位打線から三振を取り、5回終了時点を1失点以内で乗り切れば天理がかなり有利になります。

最終チェックポイント

試合前の予想は天理54%、三重46%。

そして試合中に最も注目したい数字は、5回終了時点の点差、長尾の球数、長尾の奪三振数です。

三重が3点以上リードして5回を終えれば三重寄り。

1点差以内で6回へ入れば天理寄り。

ここまでの甲子園で両校が見せてきた戦い方を考えると、そんな分岐点を持つ準々決勝になると予想します。

実力はほぼ互角。

それでも最後の1点、2点を守る力まで考え、天理が終盤に逆転し、5-3でベスト4へ進むというのが最終結論です。

【試合結果】天理が三重に7-0で完勝し9年ぶりベスト4

※試合終了後に追記しました。

天理対三重の準々決勝は、天理が7-0で三重に勝利しました。

試合前には天理5-3三重、勝率は天理54%、三重46%と予想していましたが、実際には接戦ではなく、天理が投打で三重を上回る結果になりました。

天理は13安打で7得点。

投げては甲子園初登板・初先発となった左腕の橋本桜佑が、9安打を許しながらも154球を投げ抜いて完封しました。

エース右腕・長尾亮大を温存したまま準々決勝を突破し、天理は9年ぶりの夏の甲子園ベスト4進出です。

三重も9安打を放っており、数字だけを見れば一方的に抑え込まれた試合ではありません。

しかし、得点圏であと一本が出なかったことに加え、終盤には守備のミスも重なり、最終的には7点差まで広がりました。

金本相有の先制本塁打で天理が序盤から主導権

試合を最初に動かしたのは、天理の4番・金本相有でした。

2回、三重の先発左腕・上田晴優から左翼ポール際へ本塁打。

金本にとって今大会2本目の一発となり、天理が1-0と先制しました。

試合前の記事では「三重が序盤に先に得点し、天理が後半に追いつく」という展開を本線として予想していました。

しかし実際には、三重ではなく天理が先に試合を動かしています。

この1点は数字以上に大きかったように感じます。

三重はここまでの甲子園で序盤に得点する試合が続いていただけに、先にリードすることが一つの勝ちパターンでした。

それを天理が逆に奪ったことで、三重はこれまでとは違う「追いかける展開」に入ります。

さらに4回。

前田奨太が中前打で出塁すると、犠打で二塁へ進み、小沢典弘が右前へ適時打。

天理が2-0とリードを広げました。

大量得点ではありません。

しかし橋本が粘り強く三重を無得点に抑えていただけに、この2点が試合中盤まで大きな意味を持ちました。

橋本桜佑が154球9安打で完封したことが最大の予想外

今回の試合結果を振り返るうえで、最も大きかったのは橋本桜佑の投球でしょう。

橋本は夏の甲子園では初登板、初先発。

それでも9回を一人で投げ抜き、154球、被安打9、3四球、4奪三振、無失点で完封しました。

試合前の記事でも、橋本先発の可能性そのものは取り上げていました。

奈良大会で先発として結果を残していたため、長尾の疲労を考慮して橋本を先に使う選択肢は十分考えられたからです。

実際、その読み通り長尾はベンチスタートとなりました。

ただし、予想を大きく上回ったのが**「橋本だけで9回を投げ切ったこと」**です。

試合前には橋本が序盤から中盤まで試合を作り、必要であれば長尾を投入する展開を想定していました。

ところが実際には長尾の出番そのものがありませんでした。

三重は橋本から9安打を放っています。

通常なら数点入っていても不思議ではない安打数です。

それでも橋本は走者を出した後に粘りました。

三振を大量に奪って圧倒したというより、低めへ丁寧に変化球を集めながら、簡単には決定打を許さない投球。

長尾とは異なる形で三重打線を封じています。

結果的には、試合前に懸念していた長尾の289球という疲労を完全に回避しながらベスト4へ進むことができました。

これは準々決勝の1勝だけでなく、その先を考えても天理にとって非常に大きな結果です。

三重は9安打を放ちながら最後までホームを踏めず

スコアは7-0でしたが、三重打線が全くチャンスを作れなかったわけではありません。

橋本から9安打を記録し、序盤から何度も走者を出しました。

それでも得点に結びつきませんでした。

橋本は3回までに4安打を許しながら無失点。

中盤にも走者を背負い、6回、7回と三重に得点の可能性がある場面がありましたが、そのたびに天理が守り切りました。

特に7回は三重にとって大きな分岐点だったと言えそうです。

2点を追いかける中で走者をため、強い打球も飛びました。

しかし天理の二塁手・田畑龍二の好守もあり、得点を奪えませんでした。

もしこの場面で1点入っていれば2-1。

試合前の記事でも「2-1や3-2の1点差なら最後まで五分」と予想していました。

まさに三重が試合を接戦へ戻せる場面でした。

ところがスコアは2-0のまま。

三重は9安打を放ちながら最後まで得点できず、今大会で初めて完封負けを喫しました。

安打数だけでは試合の優劣を判断できないことがよく分かる結果です。

8回と9回に5得点、天理の終盤力は予想通りだった

試合前予想でかなり強く評価していたのが、天理の終盤の得点力でした。

それまでの甲子園2試合では13得点のうち12点が6回以降。

「5回終了時点で接戦なら天理寄り」と見ていました。

今回も5回終了時点では2-0。

7回を終えても2-0でした。

そして試合が一気に動いたのが8回です。

金本が相手の失策で出塁して二盗。

前田も敵失で出塁し、天理が走者をためると、大塚弘登が右前へ適時打。

守備の乱れも重なって複数の走者が生還し、続く小沢も左前適時打を放ちました。

この回に3点を追加して5-0。

さらに9回も田畑の中前打と犠打から、金本が中越え適時三塁打。

その後の暴投でも得点し、7-0まで差が広がりました。

つまり、天理の7得点のうち5得点が8回以降です。

「中盤から終盤に相手を突き放す」という天理の特徴そのものは、試合前予想とかなり近い形で表れました。

一方、三重側から見ると、ここまで甲子園で6回以降に得点できていないことを試合前の不安材料として挙げていました。

今回も最後まで終盤の得点を生み出せなかったことで、天理との差が一気に広がっています。

三重は終盤の守備の乱れで接戦から一気に苦しくなった

7-0という最終スコアだけを見ると、最初から最後まで天理が圧倒していたようにも見えます。

しかし7回終了時点までは2-0でした。

三重にも十分反撃の可能性が残っていた試合です。

大きく崩れたのは8回でした。

三重は守備のミスから走者を出し、さらに適時打と後逸が絡んで3失点。

9回にも2点を追加されました。

試合前の記事では、守備の安定感について三重を天理より上に評価していました。

甲子園に入ってから三重の守備が安定していたためです。

しかし今回に限っては、その評価とは逆の展開になりました。

天理にも失策はありましたが、橋本が後続を抑えて失点を防いだ。

三重は終盤の失策がそのまま失点へつながった。

同じ守備のミスでも、「投手がその後を抑えられるか」「相手がミスを得点へ変えられるか」によって結果が大きく変わります。

結果として、7回まで2点差だった試合が8、9回の2イニングで7点差になりました。

三重にとっては、反撃のチャンスを生かせなかった直後に守備が乱れたことも痛かったと言えます。

試合前予想と実際の結果を答え合わせ

試合前には、天理を54%、三重を46%としたうえで、予想スコアを天理5-3三重としていました。

最終的な勝敗は的中しましたが、試合内容まで含めれば当たった部分と大きく外れた部分の両方があります。

整理すると次のようになります。

比較項目試合前予想実際判定
勝利チーム天理天理
スコア天理5-3三重天理7-0三重×
天理の先発長尾本線、橋本案あり橋本△~○
三重の序盤得点1~2点を想定無得点×
天理の終盤得点後半に伸ばすと予想8、9回に5得点
長尾の役割先発または途中登板を想定登板なし×
試合の接戦度ほぼ互角7-0×

「天理が勝つ」という大枠は合っていましたが、実際の天理は予想以上に強い勝ち方をしたというのが今回の答え合わせです。

天理勝利の予想は的中した

最も大きな部分では、天理勝利の予想は的中しました。

試合前には天理54%、三重46%。

大差ではなく、ほぼ互角ながらわずかに天理を上としていました。

理由として重視していたのは、長尾を中心とした投手力、終盤の得点力、橋本を含めた投手起用の幅でした。

実際に勝利へつながった材料を見ると、最後の2つはかなり重要でした。

橋本を先発させられる投手層。

そして8、9回に5得点を奪った終盤力です。

ただし「54%対46%」という接戦予想に対して結果は7-0。

勝者は当てられても、両校の当日の出来には予想以上の差がありました。

その意味では、「勝敗は的中、試合の強弱は読み切れなかった」という評価になります。

橋本先発の可能性を挙げていた点は予想の重要な的中

試合前記事で、長尾先発を本線としながら橋本先発の可能性を取り上げたのは、結果的に重要なポイントでした。

長尾は甲子園2試合で18回23奪三振。

一方で289球を投げており、疲労をどう考えるかが準々決勝の大きなテーマでした。

そこで、

橋本を先発させて長尾を後半へ残す

という可能性も考えていました。

実際に天理が選んだ先発は橋本。

ここまでは予想の範囲内です。

ただ、本当の驚きはその先でした。

長尾へ継投するどころか、橋本が154球を投げて完封。

「橋本を使えること」は評価していましたが、橋本だけで三重を0点に抑えられるところまでは評価し切れていませんでした。

奈良大会でも橋本は先発実績があり、長尾をベンチスタートにする起用自体には前例がありました。

準々決勝でその選択肢を実際に切り、しかも完封という最高の結果を出したことが、今回の天理の強さを象徴しています。

天理が終盤に得点を伸ばす展開はかなり近かった

試合展開で最も予想に近かったのは、天理の終盤力です。

試合前には、これまでの得点傾向から「5回まで接戦なら天理寄り」としていました。

今回も5回終了時点は2-0。

7回を終えても2-0です。

そこから8回に3点、9回に2点。

終盤2イニングで5点を追加しました。

高川学園戦などでも後半に試合を動かしており、地方大会でも終盤に大量得点した試合がありました。天理が試合後半に打線をつなげる傾向は、夏を通して何度も表れています。

ただし今回は「逆転」ではありません。

先に2点を取ってリードしながら、橋本が粘り、最後に打線が突き放しました。

そのため、試合前に想定した「三重が先行、天理が逆転」という流れではなく、天理が先行して終盤にダメ押しする、より盤石な勝ち方でした。

三重が序盤に得点すると見た予想は大きく外れた

反対に、最も大きく外れたのが三重打線への評価です。

試合前には三重が甲子園で序盤から得点してきたことを重視し、

「1~3回は三重が先に動く可能性が高い」

と予想していました。

さらに予想スコア5-3としていたため、三重が最終的に3点前後を取る想定でした。

実際には0点。

ここは明確に予想を外しています。

ただし、三重が9安打を放ったことを考えると「打線が全く通用しなかった」と評価するのも違います。

問題だったのは、ヒットを得点へ変えられなかったことです。

9安打3四球を記録しながら0得点。

走者を出してもあと一本が出ず、橋本と天理守備陣に要所を締められました。

試合前には長尾の奪三振能力を最大の警戒材料として考えていましたが、実際に三重を苦しめたのは、4奪三振の橋本による「打たせながら粘る投球」でした。

三振を取られなければ三重が有利になる、と単純には考えられない結果です。

今回の試合から見ると、打率や安打数だけでなく、得点圏での打撃と走者を返す力まで評価する必要があったと言えます。

5-3ではなく7-0になった理由は橋本と終盤の守備だった

予想スコアは天理5-3三重。

実際は7-0でした。

天理の得点については5点予想に対して7点なので、極端に離れているわけではありません。

大きく違ったのは三重の得点です。

予想3点に対して実際は0点。

この3点分を読み違えた最大の理由が、橋本の想定以上の粘りでした。

9安打を打たれても得点を許さない。

得点圏へ走者を進められても一本を許さない。

試合前に長尾へ向けていた評価の一部を、橋本にも与えるべき投球内容でした。

もう一つは終盤の守備です。

7回までは2-0なので、当初予想していた接戦にかなり近いスコアでした。

しかし8回、9回に三重の守備の乱れも絡んで5点差が追加されます。

つまり7-0という最終結果だけを見て「最初から圧倒的な力の差があった」と結論づけるより、

7回までは接戦だったが、三重が好機を逃し続け、天理が終盤にミスを逃さず一気に仕留めた

と見るほうが、この試合の実態には近いでしょう。

試合前予想の答え合わせをすると、

天理勝利は的中。

橋本先発の可能性も読みの範囲内。

天理の終盤力も予想通り。

一方で、

三重の得点力、橋本の完封、最終的な点差は完全に予想以上でした。

特に印象が変わったのは天理の投手層です。

長尾を使わずに三重を完封できたことで、「長尾が投げて初めて全国上位と戦えるチーム」ではないことが明確になりました。

長尾は温存。

橋本は154球を投げたものの、準決勝へ向けて投手起用の選択肢は残っています。

予想時点では天理と三重をほぼ互角と見ていましたが、実際の準々決勝では、投手起用、勝負どころの打撃、終盤の集中力まで含めて天理が一枚上だったというのが試合後の結論です。

出典・参考資料
出典・参考資料

記事内の数値・試合結果・選手情報などを確認する際に参照した主な資料です。リンクは新しいタブで開きます。

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